GOTOUCHI RAUMEN 全国ご当地ラーメン
東京ラーメン
概要
人口:13,999万人/軒数:2,624軒(2020年9月/タウンページ調べ)
現在の東京のラーメンを一言で語る言葉は無い。ご当地、ご当人、従来の進化型、完全オリジナルと、その多種多様さはまさに日本随一。いわゆる「昔ながらの東京ラーメン」は、豚骨や鶏ガラの澄んだスープに和風ダシを加えたスタイルが多い。日本全国に最も多く存在するこのスタイルの中で、麺の加水や形状、スープ材料などではもっとも中庸で標準的な物。
麺 | 切り歯 | 加水率(%) | 一玉の分量(g) | 形状 | 断面 |
---|---|---|---|---|---|
20~24 | 33~36 | 130~150 | ちぢれ ストレート |
角 | |
スープ | 鶏ガラ、豚骨を煮立たせずに取り、和風ダシをブレンド。醤油味が主流。 | ||||
具 | ネギ、チャーシュー、なると、ほうれん草、メンマ。 |
地元の主な店:萬福、春木屋、丸信、味の一、来集軒
首都圏の店 :ー
ラー博出店 :來々軒、春木屋、勝丸、(野方ホープ、げんこつ屋)
詳細
繊細な味わいが魅力の醤油、縮れ麺、和風だし
シンプルでオーソドックス
東京のみならず全国的にラーメンの普及に大きく貢献したのは、明治43年に浅草公園に開店した「來々軒」である。中華料理店はそれ以前から存在していたが、庶民を対象として、ラーメン、ワンタン、シュウマイなどを看板メニューとして成功し広めたのはこのお店である。
調理場では、南京町(今の中華街)から来た中国人のコックが腕をふるっていた。スープは鶏がら、豚骨に野菜でとり、麺は尾崎一郎氏の証言によると、創業から昭和5~6年頃までは、中国式の青竹打ちで、昭和10年頃には機械打ちになったとのこと。具は焼き豚にメンマと、きざみネギだけというシンプルなスタイルであった。
東京ラーメンといえば、澄んだ醤油味スープに細く縮れた麺が泳ぐ。具にはチャーシュー、メンマをベースに、なるとや海苔やホウレンソウなどが組み合わされて添えられる。ネギは主として白い部分を使う。どこか郷愁をそそるスタイルが、東京ラーメンのイメージである。
これが日本ラーメンの原点
中国料理の麺はストレートが基本。東京ラーメンもストレート麺を使っていたはずだが、いつしか縮れ麺が主流となる。麺が縮れることによりスープのからみが良くなり、チリチリとした独特の触感が生まれた。
そして戦後になると、スープに煮干しや節物類などの和風だしを加える店も増え、次第に中国の麺料理から日本のラーメンへと姿を変えてゆくことになる。醤油、縮れ麺、和風だしという三点が、中国の麺料理と日本のラーメンの違いを決定づける三要素であると考えられる。そしてその三要素を兼ね備えたラーメンが東京ラーメンのイメージとラップする。
もう一度見直したい優しい味
中国の麺文化が進化してラーメンとなったのは、まぎれもない事実だが、東京ラーメンには「ラーメンは日本の文化である」という主張が凝縮されているように思える。ラーメン店の数が年々増え続けている東京で、昔ながらの東京ラーメンを出してくれる店は逆に年々減ってきている。
現状では、東京ラーメンというと、屋台のラーメンもしくはそば屋のラーメンといった感すらある。昭和40年代のサッポロ味噌ラーメンブーム、昭和60年代から平成にかけての豚骨ブーム、そして昨今のご当地ラーメンブームで東京は、全国の味のラーメンが楽しめるラーメンパラダイスと化した。
行列店や人気ラーメン店のランキングを見ても、ご当地ラーメンが主力となっている。年々脂や辛さなど、インパクトを求める傾向が強くなっている中で、繊細な味わいの東京ラーメンを今一度見直して欲しいという思いである。
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