GOTOUCHI RAUMEN 全国ご当地ラーメン
京都ラーメン
概要
139万人/軒数:373軒
京料理のイメージと、一時首都圏でブームになった「京風ラーメン」の影響で、あっさりめと思われがちな京都ラーメンだが、実態は全国でもかなりのこってりラーメンだ。屋台発祥の店がおおく、大きく三つの系統に分けられるが、いずれも濃い醤油だったりドロドロのゲル状だったり、インパクトの強いスープが特徴的。麺は中華麺の特徴を引き継ぐ中くらいストレート麺で、比較的柔らかめに茹でられる。
麺 | 切り歯 | 加水率(%) | 一玉の分量(g) | 形状 | 断面 |
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20~24 | 30 | 130~140 | ストレート | 角 | |
スープ |
1.豚ベーススープに濃い口醤油味。 2.鶏をベースに野菜等を加え、ドロドロに煮込んだスープ。 3.鶏ガラスープに大量の豚背脂を加えた物。 大きく分けて三系統あるが、いずれもパンチのある濃厚な味わい。 |
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具 | ネギ、チャーシュー、メンマに加え、モヤシを使う店もある。ネギは九条ネギで、柔らかく風味が甘い。 |
地元の主な店:ますたに、天下一品、新福菜館、第一旭、麺馬鹿一代
首都圏の店 :天下一品、親方、ますたに、よってこや
ラー博出店 :新福菜館
詳細
京都の薄口文化に対抗 花開く得意なラーメン
全国屈指の濃い口が売り。一条寺付近の学生が支持
昭和51年、京都四条河原町の阪急デパートに、女性客をターゲットとした新しいコンセプトのラーメン店「京都あかさたな」がオープンした。さらりと軽い薄口のラーメンに、甘味などをセットで注文するというスタイルで、店内も京風でキレイなロケーションとした。懐石料理などから想像される、京都は薄口というイメージにピッタリの演出であった。昭和54年からはフランチャイズ展開し、新宿野村ビル49階に店を出した。これがきっかけとなって、「京風ラーメン」は大ブームを巻き起こし、女性がラーメンを食べるという今までになかった大きな功績を残した。
しかし、この京風ラーメンは京都においては少数派。京都のラーメンは全国でも屈指の濃厚さを誇り、濃い口が売りである。特に一条寺などは学生も多く、ラーメン店の数も多い。
東京は環七をイメージするようなこってりラーメンの激戦区である。そして同じこってりでも京都の味は、今流行の豚骨スープとはひと味違う。鶏を主体としたこってり味である。
関西うどんとの差別化狙う
だしの取り方にもよるし、舌の感じ方にもよるが、元来豚よりも鶏のスープの方がこってり度は高い。鶏を使ったこってり味。残念ながらストレートの麺には京都独自の色合いは無いが、鶏コッテリスープには、明らかに京都しかない独自のラーメン文化の香りが漂っている。
昭和13年、京都駅付近に一台の屋台が出現し、うどんでもそばでもない麺類を売り始めた。屋台を引いていたのは中国浙江省出身の徐永俤氏。これが京都ラーメンの草分けである。
昭和19年には京都駅東の塩小路高倉に店舗を構え、「新福菜館」と銘々。濃い口醤油を使ったスープに薄切りのチャーシューをふんだんに載せるといった独特のラーメンを出して人気を呼んだ。
徐氏には日本各地に中国人の仲間がおり、濃い口醤油を使ったのは東京在住の知人から情報を仕入れたか、薄口の関西うどんに対抗して差別化を狙ったのかのいずれかと推測される。このスープの味が反響を呼び、京都ラーメンの基本形となった。
シチューのような舌触り
新福菜館の濃い口醤油の流れに続き、「珍遊」や「ますたに」など、鶏ガラベースの醤油味に豚の背脂を載せた濃厚な味が出現した。豚骨スープに煮た濁ったスープだが、鶏をベースにしているところから豚骨とは明らかに風味が違う。
さらに鶏をゼラチンが出るまで炊き出した「天下一品」に代表される超濃厚なスープのラーメンは京都で大きなブームを呼び、全国にも進出している。脂がスープと乳化してドロリとしており、シチューのような舌触りは、新たなラーメンの分野を築いた。
このように大きく分けると現在の京都ラーメンは三つの流れに分けられる。しかし、いずれもその味は濃い口であり濃厚である。「京都は決して薄くない」。ラーメンに限ってはこれが京都のキーワードといえるであろう。
「京都ラーメン」といっても聞き慣れないが、「大阪ラーメン」と呼べる物を持たない関西地区にあって、一つの確立したラーメン文化を持つエリアである。
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