GOTOUCHI RAUMEN 全国ご当地ラーメン
熊本ラーメン
概要
人口:63.5万人/軒数:271軒
九州のラーメンとしては、関東に於いては博多に次ぐ知名度を持つ。同じ九州トンコツラーメンでも、博多に比べて明らかに太い麺、鶏ガラを加えてコクはあるがマイルドになったスープなどが特徴。また、博多では生で使うニンニクを、熊本では火を通して使う。脂で揚げる、煎る、香油にするなど方法はいろいろあるが、より香ばしさが増し、熊本ラーメンの個性となっている。紅生姜を入れる店もいくつかあるが、キクラゲの方がより主流か。
熊本では、熊本市以外にもユニークなラーメンがある。久留米からの原型をとどめた「天琴」、首都圏にも系列店のある「好来」、珍しく生ニンニクがごろりと入った「西峯」など。
麺 | 切り歯 | 加水率(%) | 一玉の分量(g) | 形状 | 断面 |
---|---|---|---|---|---|
22~26 | 27~30 | 100~130 | ストレート | 角 | |
スープ | 強火で煮た白湯スープだが、トンコツ以外に鶏ガラも使い、よりマイルド。ニンニクを使ったチップや香油が使われ、その香ばしさは他県には見られない。 | ||||
具 | ネギは万能ネギのみじん切り。チャーシュー、キクラゲ、海苔など。 |
地元の主な店:黒亭、味千、桂花ラーメン、こむらさき、大黒屋
首都圏の店 :味千、桂花、ひごもんず、香花、都来、なんつッ亭
ラー博出店 :こむらさき
詳細
「肥後もっこす」の心意気。鶏ガラ入りの豚骨スープ
ニンニクで風味づけ
九州ラーメンと一口で言うが、同じ九州でも博多ラーメンと熊本ラーメンは全く違う。白く濁った豚骨スープということで、見かけはそれほど変わらないが、博多は豚骨100%が主流なのに対し、熊本は豚骨に鶏ガラを加える店が多い。マー油やニンニクチップなど、ニンニクを加工した物で風味付けをするのが特徴。
麺はいずれも加水の低いストレート麺だが、熊本の麺は博多に比べると太くてしっかりとした歯ごたえがある。具にはチャーシューのほかにキクラゲや高菜を乗せ、ネギは一文字を使う。紅生姜、辛子高菜に博多万能ネギという取り合わせの博多ラーメンとは少々顔ぶれが違っている。
博多では当たり前のめんをおかわりをする替え玉システムは熊本にはなく、ボリュームを求める人は大盛りを注文する。替え玉システムがないため一杯のボリュームは博多より多めである。
九州ラーメンの草分けは昭和13年に久留米で屋台を開いた「南京千両」である。しかし横浜中華で覚えたというこの店のスープは白濁してない。白濁スープの元祖は博多の「赤のれん」と久留米の「三九」。両者とも昭和22~23年に白濁スープを出し始めている。
久留米で三九は偶然煮詰まったというところから始まっている。後に杉野さんは、小倉で「来々軒」という店を出し、三九は四ヶ所出光さんに受け継がれる。四ヶ所さんは昭和27年に熊本の玉名市にラーメン店を開いた。これが熊本ラーメンの草分けとなる。つまり、熊本ラーメンのルーツは久留米ということになる。
着実に博多を追う
この三九の味に惚れ込んだ人たちが、それぞれ熊本市内で「松葉軒」「こむらさき」「桂花」と開業、その後「味千」ラーメンは全国にチェーン展開し、中国にまで支店を出すほどの勢いだが、久留米にはなかったニンニクを加工した風味付けは、熊本で発祥している。
この熊本ラーメンを最初に東京進出させたのが「桂花」である。新宿に開いたその店は、本店の濃厚な味をそのまま東京に持ち込んだ。九州ラーメンの東京進出としては最古参であった。
園と、東京風にアレンジされた博多ラーメンが人気を呼び、豚骨ラーメンブームとなって、今では博多ラーメンも本場の味をそのままに出す店が支持されるようになっている。熊本ラーメンもここのところ店の数が増え始めている。いずれも本場の味を頑なに守っているところは「肥後もっこす=がんこもの」の心意気を感じさせる。
博多ラーメンほどの派手な展開はないが、個人店で熊本ラーメンを出す店は博多ラーメンのそれに迫る勢いである。地味なスタンスで広がってきた熊本ラーメン。博多ラーメンとの違いが判れば、これからもっと注目を集めてよい銘柄である。
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