GOTOUCHI RAUMEN 全国ご当地ラーメン
白河ラーメン
概要
4.6万/軒数:24軒
白河ラーメンは、故竹井寅次氏、通称「とらさん」の編み出したスタイルを綿々と受け継いでおり、彼が創業した「とら食堂」は、現在でも白河の代表的なラーメン店。多加水の幅広縮れ麺が最大の特徴で、手打ちの割合は近年減っては来ているが、喜多方以上にピロピロ感のある麺はとてもよくスープを絡める。伝統的には、木の棒で麺を打ち、包丁で切り出し、手で揉んで縮れをつける。オーソドックスな澄んだ醤油スープは、喜多方に比べて醤油が濃いめ。フチの赤い昔ながらのチャーシューを使う店も多い。
麺 | 切り歯 | 加水率(%) | 一玉の分量(g) | 形状 | 断面 |
---|---|---|---|---|---|
16~18 | 42~47 | 180~200 | ちぢれ | 平打ち | |
スープ | 豚骨、鶏ガラが主体で、海産物はあまり使われない。澄んだすっきりしたスープ。 | ||||
具 | ネギ、チャーシュー、メンマ、なると、ほうれん草など。 伝統的な物が多く、同じ福島県の喜多方と似た構成。 |
地元の主な店:とら食堂、すずき食堂、火風鼎、たいち、いまの家
首都圏の店 :白河中華そば、南湖
ラー博出店 :ー
詳細
「奥の細道」に100軒の店
立地の不便さもなんのその
東北への玄関は、奥の細道の出発点として知られる白河で、人口46,000人の市内に100軒近くのラーメン店がある立派なラーメン処である。 しかし、この白河の街は、これだけの数のラーメン店がありながら、ラーメン店の密集地がない。ラーメン店は市内に点在しており、その多くは、何でこんな所に、と思うほどの何もない所にポツリと立地しているのが特徽。車がなければとても白河のラーメン店巡りはできたものではない。大抵の店には駐車場が完備してある。
白河ラーメンの元祖である「とら食堂」(白河市で最初のラーメン店ではない)には、50台近く駐車できる大きな駐車場がある。驚いたことに、その駐車場があふれんばかりに車が止められ、これまた50席はゆうにある客席に座りきれない客が行列となって入口付近で待っているのである。
まわりに民家もほとんどないような所に立地しているにもかかわらず、いったいどこからこんなに人が集まって来るのだろうと思ってしまう。ほかのラーメン店もレベルの差こそあれ、多くのお客さまでにぎわっているのである。どこのエリアに行ってもそうだが、ラーメン店の多いエリアはラーメン好きな人も多いようである。
名物男"とらさん"の味
白河ラーメンは、伝説の人物"とらさん"を抜きにしては語れない。とらさんこと故竹井寅次氏は、「フーテンの寅」を地でゆく酒とばくちざんまいの生活を送っていた。 白河で最初に中華そばを出したのは昭和10年ごろのこと。屋号は「一六軒」。そして、その後「○イワンタン」という屋台が中華そばを出して人気を呼ぶ。伝説の人、竹井寅次はこの屋台で修業をし、木の棒を使った手打麺の技術を覚え、とら食堂という店を出した。
とら食堂以外の店はなくなってしまったが、とらさんはアルコール片手にラーメンの技術を弟子たちに伝え、広めていった。どの地方でも一人の天才的な職人が築いた味がベースになりその味を学んだ弟子やその味を目指してラーメン店を開いた人々の手によって、一つの文化となっていく。
白河では、とらさんという人物が、そのキーマンとなったのである。このとら食堂、現在、息子の竹井和之氏が二代目として店を継ぎ、とらさんの作った味を脈々と継承している。
郷愁誘うなると巻きも健在
とらさんの師匠にあたる屋台がワンタンをメニューにしていたところからはじまり、現在でも白河のラーメン店では、ラーメンとワンタンがメニューの両輪となっている。
スープは、鶏がらと豚がらを弱火で煮込む澄みきった醤油味で、キレのある味わい。麺は木の棒を使った手打麺を包丁で切った後、手もみにして縮れにひねりを加える。中太の麺は熟成した多加水麺で、ツルツルモチモチとした食感が楽しめる。
具は、チャーシュー、メンマに海苔とホウレンソウ。そして昔ながらのなると巻きも大抵の店で使われる。チャーシユーは縁を食紅で塗り、炭火で焼いてから醤油で煮るスモーキーなもの。昔ながらのスタイルだが、手間ひまかけて、麺もチャーシューも手づくりにしているところに美徳がある。
手打麺や炭火焼きチャーシューを出す店も、比率としては少なくなってきてはいるものの、古くからの店はかたくなにこのスタイルを守り続けている。
澄んだ醤油ラーメンの上にクラシックなスタイルの具。麺こそ全く違うものの、古き良き時代のなつかしい東京ラーメンの香りをほうふつとさせるラーメンである。なると巻きやホウレンソウを添える演出も郷愁をそそる。変わらないところが美徳のラーメンである。
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